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映画『ファースト・マン』感想&まとめ 「人類未踏の地で何を思ったのか」

この記事は「映画『ファーストマン』感想&まとめ」です。

 

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人類初の月面着陸者:ニール・アームストロング。その伝説的な宇宙飛行士を『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と、ライアン・ゴズリングがタッグを組み、送る『ファースト・マン』が公開されました。

 

2019年は、アポロ11号が月に行ってから50年。(ポルノグラフィティの『アポロ』からは20年です。)そんな節目に公開される宇宙映画ということで、期待を込めて観てきましたので、レビューを書きたいと思います。

 

 

【ネタバレなし】『ファースト・マン』のあらすじと映画概要

あらすじ

ジェームズ・R・ハンセンが記したアームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、ゴズリングが扮するアームストロングの視点を通して、人類初の月面着陸という難業に取り組む乗組員やNASA職員たちの奮闘、そして人命を犠牲にしてまで行う月面着陸計画の意義に葛藤しながらも、不退転の決意でプロジェクトに挑むアームストロング自身の姿が描かれる。

(映画.comより引用抜粋)

 

1961年 愛する娘との別れ

空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストリング(ライアン・ゴズリング)は、仕事に集中できずにいた。まだ幼い娘のカレンが、重い病と闘っているのだ。妻のジャネット(クレア・フォイ)と懸命に看病するが、ニールの願いもかなわずカレンは逝ってしまう。いつも感情を表に出さないニールは妻の前でも涙一つ見せなかったが、一人になるとこらえ切れずにむせび泣く。悲しみから逃れるように、ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する。

 

1962年 人類の長年の夢、月旅行へ

NASAに選ばれたニールは、妻と長男を連れてヒューストンへ引っ越し、有人宇宙センターでの訓練と抗議を受ける。世界の宇宙計画ではソ連が圧勝していたが、そのソ連もまだ到達していない”月“を目指すと指揮官のデューク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は宣言する。

月への旅に耐えられる宇宙船は重すぎて、たとえ到着しても月から打ち上げられない。飛行士は母船から小型船に移り着陸、任務終了後に母船とドッキングして地球へと変える。2機のドッキングができると実証するのがジェミニ計画、成功したら月面に着陸するアポロ計画へと移行することが決まる。

 

1964~65年 訓練&訓練&訓練……

宇宙空間で活動するための想像を絶するハードな訓練を共にし、飛行士たちは絆を結んでいく。ニールが最初に心を開いたのは、軍人ばかりの飛行士のなかで互いに民間人だったエリオット・シー(パトリック・フュジット)だ。向かいに暮らすエド・ホワイト(ジェイソン・クラーク)とは、家族ぐるみで親しくなった。

ある夜、江戸の家に集まった時、テレビからソ連が人類初の船外活動に成功したというニュースが流れる。それはエドがもうすぐ成し遂げるはずのミッションで、またしてもソ連に先を越されてしまった。

 

1966年 死を覗き見たドッキング

デュークから、ジェミニ8号の船長として史上初のドッキングを命じられるニール。その任務から外されたエリオットが、訓練機の墜落事故で命を落とす。友の無念を胸に、デイヴ・スコット(クリストファー・アボット)と2人、ジェミニ8号で飛びだったニールは、アジェナ目標機とのドッキングに成功するが、ジェミニの回転が止まらなくなる。非常事態に家族への通信も切られ、血相を変えたジャネットがNASAへと駆け付けるが、何とかニールの冷静な判断で危機を脱出、アジェナを切り離して帰還する。その結果、NASAはメディアに人命を危険にさらし、莫大な費用を無駄にしていると書き立てられる。

だが、調査委員会はニールの功績を認めてアポロ計画へと移行、パイロットにエドが選ばれる。名誉ある任務に就いたエドを、ニールとデイヴは心から祝福するのだった。

 

1967年 アポロ計画最大の悲劇

エドと2人の乗組員が、アポロの内部電源テストを行なっていた時、ニールはホワイトハウスのパーティに出席していた。政治家と話が合わず手持ち無沙汰の彼に、デュークから電話が入る。それは、アポロ内で火災が発生愛、3人全員が死亡したというものだった。

 

1969年 “未知”へのカウントダウン

莫大な税金をかけて犠牲ばかりだと、アポロ計画は世間から非難を浴びる。逆風の中、月に着陸する11号の船長にニールが任命される。乗組員は、バズ・オルドリン(コリー・ストール)とマイク・コリンズ(ルーカス・ハース)の2人だ。

出発の日、ジャネットは息子たちに黙って行こうとするニールに、「帰れない場合の心構えをさせて」と訴える。無邪気に笑う次男の横で、長男は父に「戻ってこれる?」と尋ねるのだったーー。

家族と別れ、宇宙服に身を包み、3人は遂に“未知”へと旅立つーー。

(公式ホームページより引用抜粋)

 

 

『ファースト・マン』の予告映像はこちら▽ 

 

 

映画概要

映画『ファースト・マン』

原題:First Man
公開時期:2019年2月8日(金)
監督:デイミアン・チャゼル
脚本:デイミアン・チャゼル
配給:東宝映画


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監督は『ラ・ラ・ランド』や『セッション』でアカデミー賞に輝いた実績もあるデイミアン・チャゼル。今作が『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を受賞してから初めての作品で注目を集めています。第89回アカデミー賞では、史上最年少で監督賞を受賞したこともあり、今作にかかる注目は凄まじいものがあります。

独特の雰囲気の映画を作ることに長けており、デイミアン・チャゼルが魅せる「幻想的な世界」のファンも世界中に。個人的にも『ラ・ラ・ランド』『セッション』は楽しみにしていました。

 

今回の舞台は「宇宙」。さらには「デイミアン・チャゼル自体が脚本を書いていない」&「原作小説あり」という監督にとって初めての経験も多いです。それがどのように作用してくるのか……。今まで「自分の描きたいもの」を描いてきたデイミアン・チャゼルがどのような映画を作るのか、見所のひとつでもありますね。

 

ラ・ラ・ランド(字幕版)
 
セッション(字幕版)
 

 

 

出演

ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング)

クレア・フォイ(ジャネット・アームストロング)

ジェイソン・クラーク(エド・ホワイト)

カイル・チャンドラー(ディーク・スレイトン)

コリー・ストール(バズ・オルドリン)

 

人類初の月面着陸者:ニール・アームストロングを演じるのはライアン・ゴズリング。『ラ・ラ・ランド』に続いて、デイミアン・チャゼル作品の主役に抜擢されています。

そのほかにも『ナイスガイズ!』や『ブレードランナー2049』にも出演しており、現代の人気俳優という称号を得ていますね。個人的にライアン・ゴズリング主演で好きな作品は『ドライブ』。謎の運び屋を演じるライアン・ゴズリングがクールでとてもかっこいいです。

 

そのほかのキャストは『蜘蛛の巣を払う女』のクレア・フォイや、『猿の惑星:新世紀』のジェイソン・クラーク、『SUPER8』のカイル・チャンドラーなどが脇を固めます。

 

▽ライアン・ゴズリング主演作品はこちらから▽

ナイスガイズ!(字幕版)
 
ラ・ラ・ランド(字幕版)
 
ドライヴ

ドライヴ

 

 

 

【ネタバレあり!】映画「ファースト・マン」感想まとめ

 

 

以降、ネタバレもあるので、「まだ観てないよ!」という人はご注意ください。

 

 

 

 

「訓練の過酷さ」や、「仲間の死」が痛烈に心に刺さる。

緊迫感が凄まじく、息を詰まらせるものも……。

しかし、そんな苦しみの果てに到達した月はとても美しかった……。

 

 

 

ストーリーは歴史上の事実を扱っているのでネタバレもクソもありませんが…(笑)

今回の記事では、 『ファースト・マン』を観ての個人的な感想をメインに書いていきたいと思います。

 

 

 

 

感情を全く表に出さないニール・アームストロング

まずひとつ目のポイントはライアン・ゴズリングが演じた主人公:ニール・アームストロングについて。

 

映画全体を通して、ニールは多くの言葉を語りません。実際の性格もほぼ同じような性格で知られており、映画内では登場しないが「氷の指揮官」と呼ばれるような人物だったらしいです。

そのようなニールを演じるライアン・ゴズリングももともと感情をオーバーに表現する役者ではありません。そのようなライアン本人にもマッチしたように、ニールの演技は素晴らしいものがありました。

 

宇宙飛行士になるための訓練は過酷なものでした。コックピットが乱回転する実験装置に乗せられたニールは気絶をしたり、トイレに駆け込んだりします。ジェミニ8号の実験では、ドッキング後に回転が止まらなくなり、宇宙空間で気絶する直前までいってしまいます。

けれどどんな目にあっても、ニールは宇宙飛行士になることを諦めることはしない

 

何がニールを宇宙へと突き動かしたのか?」この映画の大きなテーマとも言えるものです。ニールを突き動かしたもの、それはきっと「静かで、熱い感動」でしょう。

X-15の実験中に大気圏を飛び出し、地球を眺めた時。その瞬間に感じた「感動」がニールの原動力になっていました。それ以来「娘の死」や「過酷な訓練」、「仲間の死」などに直面しますが、月面に着陸した瞬間、すべてが報われたような感覚になりました。

映画を観ているぼくですら、そのような感覚になったので、ニール・アームストロング本人はもっとそのような感動を感じていたのでしょう。

 

人に感情を明かすことのないニールと反対に、妻のジャネットは感情をあらわにし続けます。ニールがジェミニでの実験中に危険な状況に陥った時には、ニール本人以上に動揺していました。アポロ11号に乗って月に向かう直前でも、ジャネットは動揺しっぱなしで、ニールにキツくあたる場面もありました。

 

このようなニールとジャネットの対比が、逆にニールの任務にかける「信念」のようなものを表現していたようにも感じます。

 

犠牲を払い、得たものとは何だったのか?

当時、宇宙開発は国の威信をかけて行われる国家事業でした。アメリカとソ連は冷戦の最中で、 宇宙開発はその根幹を占める事業。当時、アメリカとソ連では「宇宙レーザー開発」なんてものもあったそうですからね……。

考えてみれば、宇宙という制空権を取れば、たとえ戦争になったとしても負けることはないです。そのような軍拡競争の一面を持った宇宙事業に、宇宙飛行士たちは巻き込まれていたんですね。

 

そのような国家の威信をかけて行われる宇宙事業は、どんな犠牲を払っても止まることはありません。

  • 地上訓練機に乗る飛行士の死亡事故
  • ジェミニ8号でドッキング中の事故
  • アポロ1号での3人死亡の火災事故 

 これ以外にも事故はおこり、宇宙飛行士の犠牲はとてつもない人数になっていたのでしょう。

 

それでも宇宙飛行士たちは宇宙を目指すことはやめません。きっとその胸中には「愛国心」というものがあったでしょうが、それ以上に「自分の夢」を追求し続けた人たちなのでしょう。

 

 

映像の美しさで魅せる。が……

映像は正直言って、すさまじく綺麗です。

大気圏を飛び出し、地球を宇宙から見たときの美しさ。苦しい訓練を乗り越え、苦悩の果てに降り立った月面の美しさ。デイミアン・チャゼルの「美しさ」への追求が見て取れるシーンでした。

 

しかしその反面、心情描写が弱いかな〜と感じることも確かです。

物語を淡々と描いているので、登場人物のキャラクターとしての「深み」のようなものが見えなかったです。ニールをはじめとして、他の宇宙飛行士たちの苦悩というものも見えにくく、感情移入できることが少ない作品でした。

まぁ、「それが良いんだ」という意見もあるかと思いますが、個人的には「説明不足」のような印象を受けましたね。

 

ストーリーも宇宙計画の実験を追っていくシーンが多く、抑揚にかけているように感じました。なんなら「ドキュメンタリー動画」を観ているような感覚にもなりました。

なので、時間を長く感じたのも事実。緊迫感のある訓練シーンが多かったのは良いですが、それをただ単に繋げたような映画になってしまったのは少し残念でした。

 

 

【ネタバレあり】映画「ファースト・マン」個人的まとめ

 『セッション』『ラ・ラ・ランド』に続くデイミアン・チャゼル監督作品。映像の美しさや、音楽の素晴らしさは前作の美しさを踏襲していたと思います。

 

しかし、映画全体で見ると、『セッション』『ラ・ラ・ランド』からは落ちるかなといった印象でした。もともとデイミアン・チャゼルは登場人物の心情を表現するような描写は少ないです。『ラ・ラ・ランド』でも、大事な場面では視線だけで会話をしていたり、音楽を交えてミュージカル調にしたりと、頑なに心理描写を避けてきました。

その「心情描写の少なさ」が今作では裏目にでたかな〜と感じましたね。つまり何となく「投げやり」な印象を受けてしまいました。「俺は作りたい映画を作った。あとの解釈はみんなに任せるよ!」ってな感じの映画のように感じることも……。

 

しかし、映像の美しさは何度も書いたようにまさに折り紙つき。芸術やアートの面に関するフィールドではデイミアン・チャゼルは天才的なものがあります。

「音楽、映像で圧倒されたい」という方にはとてもオススメできる映画なんじゃないでしょうか。でも、まぁ『セッション』『ラ・ラ・ランド』には負けますが……

 

なんて辛辣なコメントを言っても、個人的にはデイミアン・チャゼルが好きなので、監督作品は観続けますけどね(笑)

次回作に期待して待ってます!!

 

 

▽ライアン・ゴズリング主演作品はこちらから▽

ラ・ラ・ランド(字幕版)
 
ナイスガイズ!(字幕版)