エンタメ雑記メディア『カツヒロ』

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【書評・感想】『日本進化論』落合陽一 「ポリテック」で日本の問題を解決する

 「現代の魔法使い」と呼ばれ、筑波大学の助教授を勤めながら、実業家としても活躍を続ける落合陽一さんの新著が発売されました。

 

日本進化論 (SB新書)

日本進化論 (SB新書)

 

 

今回の内容は「ポリテック」

ポリテックは、政治(Politics)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、「テクノロジーによって何が可能になるか」といった観点を、政治の議論の中に取り入れていくこと

と本文で説明されています。

 

落合陽一らしい「テクノロジーで現代の問題を解決する」という考え方が色濃く出ていて、とてもおもしろい本でした。

 

  • 日本の政治・社会問題に興味がある人
  • これからの社会に不安がある人
  • 大学生や新卒社員など、これから「時代の主役」になる人

このような人たちにオススメの本でした。

 

 

落合陽一著『日本進化論』の概要と紹介

『日本進化論』で扱っている内容は以下の通りです。

 

序章:テクノロジーと日本の課題を探る

第1章:「働く」ことへの価値観を変えよう

第2章:超高齢社会をテクノロジーで解決する

第3章:孤立化した子育てから脱却するために

第4章:今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?

第5章:本当に、日本の財源は足りないのか

第6章:人生100年時代の「スポーツ」の役割とは?

 

『日本進化論』は多岐にわたる「日本が直面している問題」について考察する内容となっています。

 

内容はすべて「平成最後の夏期講習」という2018年7月に開催されたイベントでの議論が元となっています。イベントは落合陽一さんと小泉進次郎さんの共同企画として開催されました。イベントはすべて下記のニコニコ動画のリンクから確認することができます。

blog.nicovideo.jp

 

著者:落合陽一とは?

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  • 筑波大学助教授
  • 筑波大学学長補佐
  • メディアアーティスト
  • 実業家
  • 研究家
  • Pixie Dust Technologies CEO

などさまざまな経歴を持つ著者:落合陽一。「現代の魔法使い」との異名も持ち、注目の科学者として雑誌やメディアにも取り上げられています。専門の科学技術以外にも、芸術や歴史にも深い造詣を持っていて、その知識の量は素晴らしいものがあります。

「カレーをストローで飲む」や「研究に没頭すると食事がグミになってしまう」などの「変人」「奇人」のようなエピソードも多数。さまざまな面で注目されている科学者です。

 

▽落合陽一さんの『日本進化論』以外のオススメ本はこちら▽

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

 

 

 

【書評・感想】『日本進化論』 の個人的感想

 個人的に「面白いな〜」と感じたのは、

  • 第2章:超高齢社会をテクノロジーで解決する
  • 第4章:今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?

の2つ。

 

それぞれについて、内容のまとめと個人的感想を書いていきます。

 

第2章:超高齢社会をテクノロジーで解決する

高齢者が全人口の28%以上を占める「超高齢社会」である日本。2060年には全人口の40%が高齢者になるとの予想がされています。

 

高齢化に関する問題はたくさんありますが、この章では「高齢者ドライバー問題」が中心に語られています。

日本全体での交通事故死者数は、この30年間で約70%も減少。しかし、75歳以上による死亡事故は減少しておらず、高齢者の交通事故による死亡率も上昇しています。「高齢者ドライバー問題」は、今対処しなければ、今後も高齢者数の上昇とともに増えていく可能性が高いです。

 

そのような高齢者の事故を減らすために必要なのがテクノロジー。

「高齢者ドライバー問題」に対し、落合陽一が提案するのは「テクノロジー」と「都市論」という2つのアプローチ。

具体的には

  • ドライバー監視技術
  • 自動運転技術
  • コンパクトシティ化

という3つの方法が提案されていました。

 

「ドライバー監視技術」は、運転中のドライバーの様子を機械が確認し、ドライバーの判断力や認知能力が下がった時には、すぐに運転が停止される技術。ドライバーの不注意によって引き起こされる事故を減らすために有効な解決法の一つですね。

「自動運転技術」は、その名の通り自動運転される車を使用すること。すでに自動運転は実験段階にあるので、近い将来には自動運転車が市道を走っているかもしれません。

「コンパクトシティ化」は、「都市論」よりのアイデア。人々が暮らす都市そのものを、「車が必要ない都市」に作り変えるというアイデアです。生活圏を小さくすることで、高齢者の自立的な行動や、移動費などのインフラにかかるコストも同時に削減できます。

 

第2章に関する個人的感想

正直言って、一朝一夕で解決できる問題ではないと思います。日本が抱えている「高齢化問題」は、いままでにどの国も体験したことのないような問題であることは明らか。しかし、今後は他の先進国でも、日本のように「高齢化問題」は深刻化してくるはずです。

そのときに日本が「高齢化問題」を解決するフラッグシップとなってられるかは、まさに2020~2030年の日本の政策にかかっていると思います。ここで「高齢化問題」に対する明確な解決法のひとつを提供することができれば、「高齢化問題」に関する覇権は日本に来る可能性が高いです。

テクノロジーで解決するか、それとも「都市論」という政治の面で解決するか。「高齢化問題」に対して重要な提案がされている章でした。

 

第4章:今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?

現在「THE 世界大学ランキング」では東京大学が42位、京都大学が65位というランクづけがされています。「先進国」と呼ばれている国の中で比べてみると、日本の高等教育機関はうまくいっていないことが一目瞭然です。

 

その主な原因は教育システム。日本の教育は「詰め込み型」の教育が主流です。標準的な知識を効率的に詰め込むということに関しては、日本の教育はトップレベル。その証拠に「数学リテラシー」「科学的リテラシー」の項目では、日本はたびたび先進国の中でも1位を獲得しています。

しかし、現代では「知識」の価値が急激に落ちていっています。それはインターネットの登場によって、いつでも知らない知識を調べることができるようになったから。海外の大学では、そのような状況にすぐに対処し「生きていくために大切なこと」を教える教育にシフトしています。

 

つまり日本の教育は「標準化」では優れているが、「多様化」には適応できていないということになります。落合陽一さんは教育の目的を「多様化」にシフトさせることが重要だと考えているようです。

 

画一的な価値観を意に介さず、評価基準を自分でつくり、自分で「美しい」と認めるものを追求するのがアカデミズムの世界です。それはもはや美学の領域であり、個人的な美学を追究している以上、他人にどう思われようが気にならない。これからの時代に求められるのは、こうしたアカデミズム的な人材です。

 

このように落合陽一さんは語っています。「自分がいま何を学ばなくてはいけないのか?」を考えて、その問題を実施に解決できるような人材こそが、日本の未来に必要な人材です。そのような人材を生み出すためには、従来の「詰め込み型」の教育から、自分で問題提起し、解決する「Ph.D的な学習」が必要になってくるはずです。

 

▽教育に関する落合陽一著の作品はこちら▽

 

第4章に関する個人的感想

個人的にも「教育問題」については考えていることが多いです。実際に、ぼくが書いた卒業論文も「現代の教育問題とテクノロジーの発展について」という題名でしたからね(笑)

そもそも戦後に作られた教育制度が80年以上の時間を経て、ガタがきているというだけではないでしょうか?80年以上前には、「インターネットの到来」や「テクノロジーの進歩」なんて、誰も想像ができなかったですよね?その80年前の制度をツギハギだらけで運用するのも無茶になってきただけなのかもしれません。

ここら辺で一度、大きく舵を切って「現代の教育」に適応した教育制度を考えることが重要になっています。そうすることで、テクノロジーフレンドリーな教育制度に変えることもできるし、落合陽一さんの言う「Ph.D的な学習」も可能になります。

現代は「日本が生存していくために大切なこと」を考えるためのいい時代ですね。

 

 

落合陽一著『日本進化論』まとめ

いまの日本に足りていないのは「ビジョン」だと思います。

「10年後に日本はどうなっていたいか」という大きなパースペクティブを共有できていないことが大きな問題。確かに高度経済成長期では、国民全員が「先進国のような暮らしをする」という共有されたイメージを持って暮らしていました。しかし現代の日本ではその「目標」のようなものが無いです。

 

『日本進化論』はそんな「ビジョン」だったり「目標」だったりを見せてくれる本です。

 

  • 日本の政治・社会問題に興味がある人
  • これからの社会に不安がある人
  • 大学生や新卒社員など、これから「時代の主役」になる人

このような人たちにはぜひ『日本進化論』を読んで、「未来の日本のあるべき姿」を想像してみてほしいです。その「ビジョン」に向けて、日々行動を起こしてほしいものです。

 

 ▽落合陽一さんのオススメ本はこちらから▽

日本進化論 (SB新書)

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日本再興戦略 (NewsPicks Book)

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