エンタメ雑記メディア『カツヒロ』

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村上春樹の魅力について考察 なぜ村上文学に人々はハマるのか?

24歳になった今、非常に心惹かれる作家がいます。

それが現代の作家、村上春樹

 

中学生や高校生のときにも読んだことがあったけど、そこまで「刺さる」ような作家ではなかったです。

しかし紛いなりにも人生経験を積んで、大学卒業を控えた今、村上春樹の作品を読み返してみると、かつて読んだときよりもはるかに「刺さる」小説ばかり。

 

ノーベル文学賞の候補にも名前が挙がり、注目されることが多い村上春樹

新作が出るたびに、長蛇の列が書店前にできていることも印象的ですよね?

 

今回はそんな人気作家、村上春樹の魅力を書いていきます。



 

村上春樹の作品は日常を描く地味な作品が多い

村上春樹の作品の多くは、ミステリー小説のように大きな事件が起こったり、大きな謎を解いていくような気持ち良さは少ないです。

しかし、村上文学では「登場人物たちの感情」や、「決められた答えのない問い」を、まるで日常をそのまま切り取ったような描き方をします。

日常の中に散りばめられた、「細やかな魅力たち」も村上文学の大きな魅力です。



 

オシャレなシティボーイ的な魅力

村上文学の中でひときわ目につくのが、ハイセンスなセリフの言い回しです。

 

「サラッと、オシャレに、さりげなく」決めてくるある種キザな感じのセリフが気持ちがいいです。

ねえワタナベ君、私のこと好き?」
「もちろん」と僕は答えた。
「じゃあ私のお願いをふたつ聞いてくれる?」
「みっつ聞くよ」

――『ノルウェイの森』より

こんな風に彼女にお願いされた時は「みっつ聞くよ」とスムーズに答えなくてはいけないんですね。

こんな余裕のある振る舞いで、オシャレに答えてしまう登場人物たちはとても魅力的です。

 

さらに村上春樹自身、音楽にとても詳しく、物語に登場する音楽たちもストーリーをより洗練されたものにしています。

ジャズやクラシック、オールドロックなど、音楽通も楽しむことができる細かい知識が小説に散りばめられているのです。

物語中でも音楽が重要な役割を担うこともあり、有名小説「ノルウェイの森」はビートルズの「Norwegian Wood」から取っています。

 

オシャレな言い回しと登場する音楽。それぞれが物語に厚みを持たせてくれる役割を果たしています。

 

 

まるで登場人物たちと世界を共有しているかのような世界

村上春樹の作品は良くも悪くも日常から離れません。

 

物語というものは、フィクションであり、「どこか違う世界の物語」として読者たちには受け入れられることがほとんど。

「違う世界を旅している感覚」が得られるのがフィクションの特徴だと思います。

 

しかし、村上春樹の小説はほとんどが、まるで「現実世界の誰か」を描いている作品のよう。

ありふれた日常をしっかりと描写していることが特徴です。

 

村上文学の中では、登場人物たちがよく調理をします。

その調理の描写によって、登場人物たちもぼくたちと変わらない日常を過ごしている、という感覚を味わうことができます。

生活感をわざと小説の中に描き出すことによって、物語へ引き込まれるような効果もあるのでしょう。

 

「何気ない日常」にも焦点を当て、「同じ世界を生きている実感」を作り出すことで、読者はどこか親しみを感じる村上春樹の物語に引き込まれていくのです。



 

「悲しみ」や「死生観」に焦点を当てる

ぼくが中学生のころに初めて読んだ村上春樹の小説は「1Q84」でした。

正直、何が書いてあるかもわからず、文字を追うだけで、「こんな小説面白いのか?」と感じたことを覚えています。

 

しかし、大学生になり、さまざまなことを体験した後に「1Q84」を読み返してみると、「人の死」や「倫理観」、「正義と悪」など一筋縄では答えが出ないような問題に着目している作品だと気付きました。

時代背景などもあり、ジョージ。オーウェルの「1984年」なども読んでいないと完全には理解できない作品でした。

中学生の頃のぼくにはそのような「経験」や「知識」が足りていませんでした。(今でも十分とは言えませんが……。)

 

 

 

「悲しみ」や「人の死」を感じた後にしか共感ができない「何か」村上春樹の物語の中にはあふれています。

生きていれば必ず訪れる、悲しみや理不尽さ。

そこからなにかを感じ取り、地道に愚直に生きていく人間の「強さ」、そして「弱さ」もストレートに描かれていることが村上文学の魅力の1つです。

ノルウェイの森」が村上文学初心者はオススメ

ノルウェイの森」は村上春樹の名前を一気に日本中に広めた作品です。

映画化もされたため、「タイトルだけは聞いたことある!」といった人もいるのではないでしょうか。

村上文学らしい作品で、「死生観」を静かに描いています。

キャラクターたちも非常に魅力的で、ひとりひとりが異なった価値観、生き方をしていることに、それぞれのキャラクターに対する愛着が湧いてきます。

 

数多くの「死」が描かれる作品ですが、それらが丁寧に描かれているのもこの作品の特徴。

主人公であるワタナベくんもたくさんの「死」に触れ、その度に「生」の実感を募らせていくことになります。

「死を乗り越えつつ、残されたものは強く生きていかなくてはならない」というメッセージが込められた作品。

村上春樹初心者にはオススメしたい作品です。



 
 ※本記事はカツヒロの他ブログ「たのため」にも掲載されています。

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