エンタメ雑記メディア『カツヒロ』

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【書評・あらすじ】フーガはユーガ 伊坂幸太郎 ※少しネタバレあり

 

約1年ぶりの伊坂幸太郎の新作、「フーガはユーガ」。

伊坂幸太郎らしいファンタジーの設定もあり、いつもと変わらない「伊坂ワールド」が展開されていました。

 

まぁ、ぼくが読んだことのある伊坂幸太郎作品は「魔王」と「グラスホッパー」くらいなんですけどね。

(あと「あるキング」も読んだことありました。)

 

今回は伊坂幸太郎初心者のぼくが新作「フーガはユーガ」について書いていきます。

 

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物語の主人公は双子の兄・優我と弟・風我。

ある日、優我はテレビ製作会社の高杉と会話をしている場面から物語はスタートします。

 

高杉は新しい番組の企画でのネタを探しており、優我が映っている「極めて不思議な映像」について話を聞きたがっていました。

その映像とは、盗撮された映像であり、その映像には優我が瞬間的に立ち上がったり、一瞬にして額に絆創膏がついていたりと、説明できないようなものが映っていたのです。

 

映像には編集された様子もなく、全く説明がつかない…

高杉の質問に耐えかねた優我は、「アレ」について話を始めます。

 

優我が「アレ」について初めて自覚したのは小学校二年生のとき。

体育の授業中に急に「ピリピリした感覚を皮膚に感じ、身体が固まり」ました。

ふと我に帰ると、そこは隣の教室。

他のクラスの担任の先生が目の前で授業を行い、優我は体育着のままその教室にいることに気づきます。

 

そう、優我と風我の「アレ」とは、彼らの誕生日にだけ起こる、彼らの位置を2時間ごとに入れ替える「瞬間移動」の能力でした。

 

ぼくの伊坂幸太郎作品の遍歴

久しぶりの伊坂幸太郎作品ということもあり、全体的に楽しんで読むことができました。

 

そう、伊坂作品が苦手なぼくにも!!

伊坂幸太郎の作品って、「独特な語り口調」と「ファンタジックな雰囲気」があり、伊坂幸太郎の作品を初めて読もうとしていた高校生のときは苦手だったんです。

「死神シリーズ」や「陽気なギャングシリーズ」はもちろん知っています。

しかし、伊坂幸太郎の作品に苦手意識を持っていたぼくは今まで読んでいません。

 

そんなぼくが次なる伊坂幸太郎作品として手に取ったのがこの「フーガはユーガ」。

もしこの作品がぼくの琴線に触れなかったら、二度と伊坂幸太郎作品を読まないこともあり得ましたね…(割と真面目にそう思います。)

 

「伊坂幸太郎が好きすぎてたまらない」という伊坂クラスタよりも、ぼくのように「伊坂作品って苦手…」と感じてた人の方が書評に説得感もあるかもしれませんしね。

そんなぼくが「フーガはユーガ」についての感想について語ります。

 

 

【ネタバレ注意】「フーガはユーガ」感想

この作品には虐待やDV、いじめ、暴力、非人道的な行為など多くの辛い内容が描かれていて、読んでいる途中で何回か読む手が止まってしまうほどでした。

 

そんな世界を懸命に生きる優我と風我。

理不尽な世界に生まれながらも、自分の手で人生を切り開いていきます。

 

優我と風我の不思議な能力、それは誕生日の日にだけ2時間ごとに起こる「入れ替わり」。

 

この二人が巻き起こす入れ替わりの能力は、さまざまな辛くて、悲しい出来事とともにありました。実の父親から受け続けたDV、風我の彼女が受けていた非人道的な虐待、優我と交友関係のあった親子に起こる悲劇など。

 

「なぜこんなことが優我と風我に起こるのだろう?」と恨んでしまうほどの辛い出来事を二人は体験し続けます。

 

物語は伏線が張り巡らされていて、何1つ無駄だったエピソードがなかったと思えるほど。どんどん物語での伏線が回収されていき、クライマックスでは温かくも切ないものに。

 

過去を語るようなストーリー展開にもきちんと意味があり、物語が「現在」へと戻ったとき、さまざまな真実が明らかになります。

 

この優しい不思議な双子が巻き起こすエピソードは「ヒーロー物語」のようなもの。

勧善懲悪も徹底され、双子の心理にもあった「誰かを助けたい」というような思いも読み取れる作品でした。

辛い過去を背負いつつも、あんなにも自分のためじゃなく、人のために生きられるようなものなのかね…

 

「入れ替わり」が引き起こすクライマックスは一見の価値ありです。

「俺の弟は、俺よりも結構、元気だよ」。シビれます。

 

 

こんな感じの感想ですかね。

物語は冒頭にも言ったように、伊坂ワールドが展開される作品でした。

「伊坂幸太郎がちょっと苦手…」というぼくにもサクッと読めたので、同じような人にもオススメです。

読んで損することはない作品なので、ぜひ購入をどうぞ。

 

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