エンタメ雑記メディア『カツヒロ』

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【書評・読書感想】「ホモ・デウス」 テクノロジーとサピエンスの未来はどうなるか

「これから人類はどのように進化していくのだろう…」

 

なんか壮大な疑問です。

漠然としていて、答えなんて浮かんできません…

 

そんな途方もない人類の未来について考察されている本がこちら。

ユヴァル・ノア・ハラリ著「ホモ・デウス」という本。

著者はこの壮大な疑問について、人類の過去からの成長の流れを踏まえながら、未来に対して恐ろしいほどの予測をしています。

 

それは「人類はホモ・デウス(神の人)になる」というもの。

本著は上下巻合わせて、500ページを超えるような本になっているので、ポイントを選んで書評をしていきます。

「ホモ・デウス」は人類にとっての思慮深い考察をしている現代人必読の本

著者であるユヴァル・ノア・ハラリはユダヤ人の歴史学者。

前作の「サピエンス全史」は世界中で大ヒットとなり、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグなど、世界のトップたちもこぞって読んだことで有名になりました。

 

▽合わせて読みたい記事はこちら▽

【書評】「サピエンス全史」の感想を自分なりにまとめてみた

 

 

人類の今までの歴史を語った「サピエンス全史」の続編にあたる、「ホモ・デウス」は人類の未来についての作品。

サピエンス全史で語られたアイデアを改めて使用しつつも、新しいアイデアについても語られていました。

 

個人的には「ホモ・デウス」の上巻は他の巻と比べても読みやすく、「まだハラリの本を読んだことない」という人にもオススメできます。

そこから興味を持ったら、下巻、またはサピエンス全史、という読み方もできるので、最初は「ホモ・デウス上巻」をチェックしてみてください。

貧困、疫病、戦争を乗り越えたサピエンス

  • 貧困
  • 病気
  • 戦争

 

この3つが何千年もの間、「人類の最も取り組むべき課題」のトップスリーを占めていました。

この課題をサピエンス(作者は現人類をこう呼ぶ)はすでに乗り越えたように思えます。

 

確かにこれらの3つの問題はいまだ残っているように見えます。

しかし現代では、貧困で死ぬよりもハンバーガーの食べ過ぎで死ぬ割合の方が高く、疫病で死ぬ割合より寿命で死ぬ人の割合の方が高く、テロや戦争で死ぬ人よりも自殺者が多くなっているんです。

これは人類の歴史上、初めてのことだと筆者は主張しています。

 

ぼくが想像してみても、

 

  • 食べ物がなくて死ぬ
  • 天然痘にかかって死ぬ
  • 戦争に巻き込まれて死ぬ

 

ということは想像することはできるけど、まったく現実味はありません。

 

つい200年前まで身近に存在していた「貧困」「病気」「戦争」は、現代人にとっては「人類の最も取り組むべき課題」として認識されてもいないように思えます。

現代人にとっては、すでに「貧困」「病気」「戦争」は過去のものになっているんです。

人類の次の課題とは

「(人類は)飢餓と疾病と暴力による死を減らすことができたので、今度は老化と死そのものさえ克服することに狙いを定めるだろう。人々を絶望的な苦境から救い出せたので、今度ははっきりと幸せにすることを目標とするだろう。そして、人類を残忍な生存競争の次元より上まで引き上げることができたので、今度は人間を神にアップデートし、ホモ・サピエンスをホモ・デウスに変えることを目指すだろう。」

 

  • 死そのものを克服すること
  • しあわせを追求すること
  • ホモ・サピエンスから「ホモ・デウス」へのアップデート

 

サピエンスの次の「人類の最も取り組むべき課題トップスリー」はこの3つになる可能性があると筆者は主張しています。

 

「貧困、疫病、戦争はすべて『死』をもたらす」という点で共通していました。

しかし、それを乗り越えたサピエンスは「老化」や「死」そのものさえ克服できるものとして本著は主張。

 

 

  • 遺伝子操作などの生物エンジニアリング
  • 身体の一部の機械化などのサイボーグ化
  • コンピュータに知性を入れ直す無機物エンジニアリング

 

のどれかの手法を用いて、サピエンスは「老化」や「死」そのものを克服すると筆者は予測しています。

 

まるでSFの世界みたいだけど、もしかしたら25年後にはこれらは普通になっているかもしれません。

インターネットなどのテクノロジーが誕生したのが25年前。25年前の誰が、2018年の現在のテクノロジーのあり方を想像できたでしょうか?

同じような速度で成長し続ければ、「死」すらも越えるようなテクノロジーが誕生していることもあるでしょう。

 

この「死」すらも越えたホモ・サピエンスはもはや、ホモ・サピエンスとは呼べなくなっているはずです。

この別の存在を筆者は本著のタイトルでもある「ホモ・デウス」と名付けます。

神性を獲得する人類はどうなっていくのか

この本は「人類の未来」について考察を続けます。

 

  • 知能と意識はら分離する
  • サピエンスの知性は、高度な知性を持ったアルゴリズムに取って変わられる
  • あなたのことをあなた自身よりも、AIが知るようになる

 

など驚くような予想ばかりが並べられています。

 

しかし、これは単なる都市伝説のようなものではなく、筆者が「サピエンス史の流れ」から起こり得る未来を予測したものです。

 

リアリティを持ちながら、来るべき未来について考えることができる本作。

有名な著者であるダニエル・カーネマンが言うように、「あなたに衝撃を与え、楽しませ、そして何よりも考えたことのないような方法であなたを考えさせる」本になっています。

人類の未来を予測した良書。ぜひお読みください。